9月の切り花

9月の切り花

まだまだ残暑が厳しい9月ですが、下旬ころから夏の余韻を残しつつ秋の気配も感じられるようになります。

秋の花といえば、秋の七草を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
秋の七草とは、撫子(ナデシコ)、藤袴(フジバカマ)、女郎花(オミナエシ)、葛花(クズ)、萩(ハギ)、尾花(ススキ)、桔梗(キキョウ)のこと。

これ以外にも、秋は山野草がとても美しい季節です。野に咲く上品で凛とした花を一輪挿しやお気に入りの花瓶に生けてみたり、素朴な花束にしてみるのもおすすめです。


科・属:キク科キク属
開花時期:9~11月頃

菊は日本の国花でもあり、皇室の紋にも使われている日本を象徴する花です。
大きく分けると中国などから入ってきた「古典菊」と、欧米から入ってきたキク「洋菊(マム)」に分かれます。両方とも品種改良により非常に多くの品種があり、色も黄色や白、ピンク、オレンジ、赤、緑、紫など豊富です。

アスター

科・属:キク科カリステファス属(エゾギク属)
開花時期: 7月~8月頃

別 名:蝦夷菊(エゾギク)、薩摩菊(サツマギク)
アスターは半耐寒性の一年草で仏花として目にすることが多いですが、品種改良が進み、ポンポン咲きや八重咲きなどのふんわり丸いタイプもあれば、マーガレットに似たフラットな一重咲きタイプなどな様々な色やかたちがあります。

河原撫子(カワラナデシコ)

 

科・属: ナデシコ科・ナデシコ属
開花時期:5~10月頃

切れ込みの大きいピンクの花弁が美しく、まさに「清楚」という言葉がぴったりの日本古来の美しい花です。古くは万葉集に数多く詠まれるほどの歴史がある花でもあり、秋の七草のひとつにも数えられています。

羽衣藤袴(ハゴロモフジバカマ)

 

科・属:キク科・ヒヨドリバナ属
開花時期:9月~10月頃

別 名:ユーパトリウム ‘羽衣’
葉が大変美しく、細く切れめの入っている繊細な印象の藤袴です。夏には涼やかな葉が、秋には紅葉した葉が主役の花を引き立ててくれます。花は藤袴と同じ桃色です。

女郎花(オミナエシ)


科・属:オミナエシ科オミナエシ属
開花時期:9月~10月頃

日本原産の多年草で、まっすぐに伸ばした茎の先に、たくさんの小さな黄色い花を房状に咲かせるのが特徴です。
女郎花の近縁種に男郎花(オトコエシ)という花があり、女郎花に比べてひと回り大きく丈夫な花姿をしています。その男性のような力強い姿と対比し女郎花は女性らしい印象に例えられ「女郎花」と呼ばれるようになったそうです。

男郎花(オトコエシ)

科・属:オミナエシ科オミナエシ属
開花時期:9月~10月頃

前述の女郎花(オミナエシ)の近縁種であり、女郎花が黄色い花を咲かせるのに対し、男郎花は白い花を咲かせます。大柄でたくましく野生的に咲く姿から男性に例えられ、男郎花の名前が付けられたそうです。ちなみに男郎花は秋の七草ではありません。

桔梗(キキョウ)

科・属: キキョウ科・キキョウ属
開花時期:6月~9月頃

古くから親しまれている桔梗は清々しい青紫色をした星形の花をつけるのが特徴です。他にも白色や淡いピンク色があり、最近では八重咲きの品種も出回っています。蕾のかたちが変わっていて、五枚の花びら同士がくっつき紙風船の様なぷっくりした形がとてもユニークです。

吾亦紅(ワレモコウ)

  

科・属:バラ科ワレモコウ属
開花時期:7月~10月頃
別 名:吾亦紅(ワレモコウ)、吾木香(ワレモコウ)、我毛紅(ワレモコウ)

花茎をすらりと立ち上げて1〜2cmの卵型の花が咲いて穂状になります。花の色は渋い赤色や紫色で、小花が集まって咲いているように見える部分は、花びらではなく葉っぱが変化した萼(がく)と呼ばれる部位になります。

ススキ

科・属:イネ科ススキ属
開花時期:9月~10月頃
別 名:尾花(おばな)、萱(かや)、茅(かや)

十五夜の月見飾りには欠かせない、秋の代名詞のようなススキ。秋の七草の一つでもあります。尾花という名前は、ススキの穂の形状が動物の尾に似ているところから付いた名だと言われています。

水引(ミズヒキ)

科・属:タデ科ミズヒキ属
開花時期:9月頃
別 名:水引草

糸のような細い花茎に小さな花を咲かせる多年草です。慶事の熨斗(のし)に添える水引に似ていることから、この名前で呼ばれるようになったと言われています。赤花が一般的ですが、ギンミズヒキと呼ばれる白花種もあります。

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